2010.09.09 Thu
【私的音楽評】No.64 ニシセレクト19 担当ニシトオル

ああ青春の“醒めモヤ感”
今回のテーマは五十過ぎのオッサンが取り上げるには少々気恥ずかしいです。
まあ、こっちのモンダイなんだけどね。

えーっと。
たとえば
昼休みの教室で、クラスのリーダー格が熱く“団結”を呼び掛けていて、
それを眺めていると急に自分だけが醒めちゃう。そんな経験ないですか?
たとえば
部活動をさぼって、誰もいない家でひとり再放送のテレビを見ていて、
頭の片隅では“いけないなあ”と思っている。そんな経験ないですか?
ワタクシは経験があります。
思い出すと恥ずかしいなあ。
まわりとの距離感がつかめなくなって立ち止まっちゃう。
その時の醒めた感じとかモヤーっとした感じとか、
そんな“醒めモヤ感”は、若い頃の特権だと思います。
もしそんな若者が身の回りにいても、いじめちゃダメですよ。
彼らは無気力ではなく、むしろ繊細なパワーを持っているのです。
ですから、ほっといて、そして待ってあげてくださいね。
さて、今回取り上げるミュージシャンは「相対性理論」なんです。
ファンの方々には異論があるかもしれませんが、ワタクシにとっては“醒めモヤ感”を表現しているバンド。
この“醒めモヤ感”って微妙で再現が難しいと思うのですが、相対性理論は見事です。
だってさ、五十過ぎのオッサンをはるか昔にタイムスリップさせたもの。
サウンド面は70年後半から80年代を彷彿させます。
そこにボーカルの声質やら歌い方やら、一見投げやりな歌詞も相まって、“醒めモヤ感”を空気に溶かして届けてくれます。
まあ、聴いてみてよ。
最初のボーカルのワンフレーズでやられちゃうから。ムフフ。
気になるあの娘/相対性理論(2010年)
http://www.youtube.com/watch?v=ODysC7SM_Yk&feature
(動画なし)


【お・ま・け】
ヒップホップの出現とともに、21世紀になってRockのパターンは出尽くしたと、あとはテクノロジーの新しさだけと言われています。同感です。
ただそれはRockの進歩が止まったわけではなく、過去のRockのパターンを道具として活かし、表現するテーマが問われる時代へと進化・移行したと言えます。
今回取り上げた相対性理論とか、他にも東京事変とか、アジカンとか、日本にもこれまで無かったテーマ、空気感の表現に挑戦しているバンドは数多くあります。
私の感性はもう枯れてきています。ですがチャレンジする日本のRockを聴き続けたいと思います。
懐かしのRockもノスタルジーとして楽しいのですが、そればっかりじゃあねえ。
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| 週刊木曜日私的音楽評 | 13:52 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑
「県大会の準優勝」!!!!
ってゆうフレーズに親近感がありますな。
音は、まあ「わりと普通」かな。
| フリーバード | 2010/09/09 23:44 | URL |