2010.05.20 Thu
【私的音楽評】NO.48 ニシセレクト16 担当ニシトオル

NPO法人アークシップ認定音楽番組「SONG TO SOUL」

このブログを書いている五十嵐さんは歩く音楽事典だ。
たとえば
「ザ・フーの二代目ドラマーは誰だっけ」と尋ねれば
メガネの奥がキラリとひかり
「ケニー・ジョーンズ。次はザック・スターキーだけどメンバーにはなってないはず」
即答である。
しかも、所蔵CD千枚以上。お願いすれば無料貸し出しありだ。
こうなるとアークシップ内にタワーレコードの支店があるようなもので、実に頼りになる。
彼は好みのシンガーやプレーヤーの歴史と背景を調べ、ずんずんと音楽の森に分け入っていく人なので、話題も奥深い。
だから酒の席でもインテリジェンスだ。ときたまエロオヤジ化するけど、俺がホイッスルを吹いて止めている。
その五十嵐さんのような方々が作る音楽TV番組がある。
BS-TBS毎週木曜日23:00からの「SONG TO SOUL」。
毎回和洋のポップミュージックから“永遠の一曲”を取り上げて、詞やメロディーがどのようなきっかけで生まれ、どんなメンバーがどんな気持ちで創り上げたかを丁寧に見せてくれる。
取り上げられる“永遠の一曲”はどれも聴きおぼえのある歌だ。
たとえば、先々週はロバータ・フラックの“やさしく歌って”だった。
ソウルの女王ロバート・フラックがたまたま飛行機で知り、ロスの無名なフォークシンガーの作ったこの曲は全米No.1ヒットとなった。
番組はさらに掘り下げ、その無名なシンガー、ロリ・リーバーマン本人にインタビューをする。
するとこの曲は彼女(ロリ)がとある男性アーチストをライブハウスで観て、感激のあまり紙ナプキンに「Killing Me Softly with His Blues(彼のブルースで、やさしく殺して)」と書き出し、生まれたそうだ。
ね、名曲にドラマありでしょ?
俺はこの“やさしく歌って”は好きではなかったが、番組を見終わると感動しているから不思議だ。
多くの人の心を動かした歌には、創り上げた人々の心の温度が込められている。それを番組スタッフがとても大切に丹念に織り上げて、見る人に届けてくれるからだと思う。
で、だ、勝手ながらこの番組をNPO法人アークシップ認定音楽番組としたい。
よーし、まずは五十嵐理事に裏工作しよう。
今回は“この曲聴いて”ではなく、“この番組を見て”でした。
でも聴いてみてね。(コーヒーを飲みたくなるかもしれないよ)
ロバート・フラック「やさしく歌って(原題:Killing Me Softly with His Song)」
http://www.youtube.com/watch?v=dpNdMIAnKko&feature

↓BS-TBS「SONG TO SOUL」ホームページ
http://w3.bs-tbs.co.jp/songtosoul/
5/27放送はローリング・ストーンズの「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」だぜ。
| 週刊木曜日私的音楽評 | 21:03 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑
邦題がすてきですね
長谷川です。
確かにスタッフ五十嵐さんは、歩く音楽事典ですよ・・・
その曲の背景とか歴史を知ることは本当に面白い。
この番組は、本当に音楽を愛している人が制作しているのでしょうね。
愛と熱を感じます。
今日の23時から放送ですよね。
早速見てみよう!!
それにしてもkilling my softly his song を「やさしく歌って」という邦題にしたセンスは凄いですね。
音楽評も面白い!!
出会うべき偶然というものがあるのでしょうか・・・・
追伸
邦題NO,1は、やはりCan't take my eyes off youの「君の瞳に恋してる」だと思うのですが、他に何か良い邦題を知っている方いますか?
| ARCSHIP代表 長谷川 | 2010/05/20 21:27 | URL | ≫ EDIT