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市民による市民のための音楽活動支援団体「NPO法人ARCSHIP」

「人」と「街」と「音楽」がもっとつながるための活動紹介をはじめ、神奈川県内の音楽・アートイベント情報をナビゲートします。

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【私的音楽評】NO.31 ニシセレクト10 担当ニシトオル

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ひこうき雲/荒井由実
ひこうき雲ジャケ写真

ほとんどの場合、心の成長は男の子より女の子の方が早い。
言い換えれば、女の子はおませさんで男の子はおバカさん。
幼稚園から小中高そして大学さらに社会人になっても、女の子の方が精神的に大人だと思う。たぶん本能的に「生きる」とか「いのち」とかを考えているんだ。

高校時代、まさに俺はおバカさんだった。
頭の中は部活動と食い物、そして男女交際のことだけだったように思う。
友だちも似たり寄ったりで、リーゼントやら剃り込みを入れた頭の中は空っぽだった。

クラスメートのナカムラさんは、いつも教室の隅でぽつんと本を読んでいる美人さん。
ある日そのナカムラさんがレコードを俺に手渡した。

HIKOKI-GUMO/YUMI ARAI

「キレイな歌、聴いてみて」
大きな瞳が俺を見ていた。

家に帰りすぐに聴いた。
でも分からなかった。
だから1週間聴き続けた。100回は聴いた。

♪空に憧れて 空をかけてゆく♪
♪あの子の命は ひこうき雲♪

「この歌にいる“あの子”は死んだんか?悲しい歌やんけ」
薄暗い廊下でレコードを返した。
「“あの子”は生まれたことがうれしかった。この世に生まれたことがうれしかったんや。分からへんかなあ、悲しい歌やないよ」
ナカムラさんは少し怒ったように指先で俺の胸を突いた。
悲しくなった。頭が空っぽの自分が無性に悲しくなった。
だけどその日、ほんのわずか、大人になったような気がした。

名作といわれる本、映画、音楽は教科書に書いていないことを教えてくれる。
人間とは何なのか。生きるとはどういうことなのか。受験勉強にはまったく役に立たないけど最も大切なことを教えてくれる。
それにふれた時、おバカな少年もちょっとずつ大人になっていく。

この歌は36年も前の歌だ。
ノスタルジーは好きではないけど、後生に残る歌い継がれるべき名曲だと思う。

ライブ映像でどうそ
http://www.youtube.com/watch?v=Z9IfTYcRGoI&feature=player_embedded
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