2009.12.03 Thu
【私的音楽評】NO,25 ニシセレクト8 担当:ニシトオル

クレージーケンバンド

今年横浜は開港150周年だった。いろいろあったネ….。
さて、横浜のミュージシャンといえば、誰を思い浮かべるだろう。
「やっぱり、ゆずだよねえ」
26才女性は友だちと顔を見合わせながら答えるかもしれない。
「我々の世代はもちろん美空ひばりさんですよ」
お孫さんの手をひいて74才の男性は微笑むかもしれない。
「オダさん。私は小田和正さんよ」
45才の主婦は玄関口でそう言うかもしれない。
どれもオーケー。横浜は音楽のメッカだからね。
51才の俺は、きっぱり
「それは、クレージーケンバンドだ!」
クレージーケンバンドの横山剣さんの美学をひとことで表すならば、
“半径25kmの美学”。
横浜本牧を真ん中に置いて、湾岸道路や工業地帯、ちょっとエッチなネオンの街、そこで出会ったダチやオンナ。そんな雑多で粋なヨコハマを歌ってくれる。

今回紹介する「タイガー&ドラゴン」(2002年)の歌い出しはこうだ。
♪トンネル抜ければ海が見えるから♪
♪そのままドン突きの三笠公園で♪
もうこのフレーズで実写映像が頭に浮かぶ。
ハマのオトコはクルマを持つと、なぜだか国道16号を南下する。理由なんかナイ。DNAだ。そしてこの風景を実体験するんだよ。
三笠公園は横須賀市でしょ?などと学級委員的な事を言ってはイカン。“半径25kmの美学”だからいいのだ。
剣さんはちょっと猥雑なヨコハマを愛している。そこで過ごした日々と仲間を愛している。それが伝わるから俺はつい口ずさんでしまうのだ。
そこで思うのだが、ミュージシャンにはもっと自分が住んでいる街を歌ってほしい。半径5kmでも1kmでも身近な愛すべき小さな宇宙を歌にして聴かせてほしい。
「なんだかんだ言っても自分の街が好き」そんな愛と心意気はリスナーにホットに伝わるよ、きっと。
余談だが「タイガー&ドラゴン」を聴くならば、伊勢佐木町から吉田橋に向かった裏通りにあるBarKingがベスト。真っ赤な背もたれのスツールのカウンターBar。マスターはもちろんアロハシャツにリーゼント。でも優しい。
クレージーケンバンド「タイガー&ドラゴン」のリンク先は
http://www.youtube.com/watch?v=wN2cm9kQwOg
日本最高のソウルシンガー“和田アキコ”さんとのデュエットバージョン。
アッコさんと並んでちょっぴり緊張気味の剣さんも見ものです。
キメのポーズはもちろん↓だぜ。聴いてみてね。

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| 週刊木曜日私的音楽評 | 11:01 | comments(-) | trackbacks:0 | TOP↑