2009.10.22 Thu
【私的音楽評】NO.19 ニシセレクト6 担当:ニシトオル

■秋の夜長のジャズ3曲
ハービー・ハンコック/TAKIN’OFF

ビル・エバンス/Waltz For Debby

ジョン・コルトレーン/Ballads

ロックとフォークしか知らなかった大学生の頃、背伸びをしてBarで飲みだした。
ある時いきつけのBarのオーナーから
「食わず嫌いはダメ。ジャズも聴いてみな」と言われた。
そのひと言がなければ、今も僕はジャズの楽しさを知らないかもしれない。
どうやら晩秋はジャズの季節らしい。
というわけで、“いまだにジャズ初心者”からおすすめするジャズ入門曲です。
ハービー・ハンコック「ウォーターメロン・マン」/TAKIN’OFF
1962年にレコーディングされたハービー・ハンコック初リーダー・アルバムの1曲目。
イントロからピアノのシンプルなパターンの繰り返しが心地よい。
ジャズの中では少々ユニークかつ斬新な曲調で、その後ロックに傾向するハービーの方向性が分かります。
西瓜売り(ウォーターメロン・マン)の叫びをヒントに作曲したらしいのですが、いったいどんな叫びだったんだ?ちなみに僕は部屋の掃除をしながら聴きます。
http://www.youtube.com/watch?v=JYDH0ZGoo_M&feature=player_embedded
ビル・エバンス「Waltz For Debby」/Waltz For Debby
1961年録音の同タイトルアルバムの2曲目に収められています。
イケメンのビルが実験的な演奏をやっているのですが、そんなことよりメロディがチャーミングでキレイなんです。
ずっと“デビィ”って誰なんだろうと疑問だったのですが、どうやら姪御さんらしい。
納得。かわいらしさ満点の曲だもの。
ちなみにライブ録音なので、お客さんのざわめきとかお皿の音とかが入っていて、このへんも実にジャズらしいのです。(リンク先はCDとは違うテイク)
http://www.youtube.com/watch?v=dH3GSrCmzC8&feature=player_embedded
ジョン・コルトレーン「Say It」/Ballads
サックスとピアノの音が鳴った瞬間に、その部屋の空気が変わります。
誰もがイメージするジャズバラード、大人の雰囲気ってヤツです。
あまりにも定番曲なので志村けんのコントとかでも流れて、思わずツッコミを入れたくなります。
1962年録音の作品で、その後コルトレーンはフリージャズと呼ばれる激しくも革新的なジャズの分野を開拓します。
「コルトレーンはさあ、フリーもいいけど、Say Itあたりの歌心も捨てがたいよ」なんてうそぶくとジャズマニアを気取れます。
http://www.youtube.com/watch?v=JFp6FxdcDv8&feature=fvw
よく“音楽は感性で聴け”なんて言いますが、結局のところどれだけ多くの音楽を体感して戸棚を増やしたかだと思います。
聴けば聴くほど多くの音楽を楽しめるのです。
さあ!ボン・ジョヴィしか聴かないお兄さん。B‘zしか聴かないお姉さん。
秋の夜長、ちょっと背伸びして新しいジャンルを体験してみましょ。
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| 週刊木曜日私的音楽評 | 20:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑