2009.08.06 Thu
【私的音楽評】NO,8 五十嵐セレクト3 担当:五十嵐

㈰Famous Blue Raincoat / Jennifer Warnes

㈪All The King's Men / Scotty Moore & DJ Fontana

㈫Burning For Buddy / Various Artists

僕が初めて人前で演奏したのは、高校2年生の時だった。
すでにいっぱしのリスナーだった(と思い込んでいた)僕は、まったくプレーヤー志向ではなかったのだが、高校2年生のあるとき自分と同じ穴の狢(むじな)2名に「バンド組んで文化祭に出よう。
おまえはドラムやって」と言われ、生まれて初めてドラムセットの前に座ったのだった。
その時は、不純な動機も、テクニカル信奉も、グルーブの追及も、なにもかもまるでなく、
ただ単に“音を出す”ことが面白くて毎日のように、阪東橋あたりの(通称)米屋スタジオに通っていた。
結局どんな曲を演ったかといえば、Roxy Musicや、The Meters、さらには“Dub”からRCサクセションという節操のないセレクションである。
今から思えば完全に入口を間違えたなって思う。
村上春樹がどこかで書いていたように腕を上げる(小説でも音楽でも)早道は、わかりやすく言えばだれかの模倣をすることだと自分も思う。
村上春樹自身がチャンドラーの模倣をしたように。
ゴッホが葛飾北斎の模倣をしたように。
Dreams Comes True がEarth,Wind&Fireの模倣を(おそらく)したように。
ただ難しいのは、さらなる向上心を満たすためには、“模倣”から“真のオリジナリティ”へと、化学変化を引き起こすことが不可欠だということである。
化学変化を引き起こすためには、無論“多様な材料”と“数多くの実験”が欠かせない、ということになるだろう。
(3枚のトリビュートアルバムについてのコメント)
㈰Leonard Cohen(♂)の曲をJennifer Warnes(♀)が再構成して歌い上げるといった見事な解釈がなされた名盤。
ジャケットで使われたバーバリーのコートもいい。
㈪Elvis Presleyのバックを務めたギタリストとドラマーが多くのゲスト(The Band, Jeff Beck,Keith Richards etc)を迎えて作ったアルバム
㈫世界一派手なドラマーといっても過言ではないBuddy Rich へのトリビュートアルバム。
Bill Brufordの参加にニヤリ。
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| 週刊木曜日私的音楽評 | 10:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑