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市民による市民のための音楽活動支援団体「NPO法人ARCSHIP」

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【私的音楽評】NO.141 ニシセレクト40「ワイド節」

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その島が生んだ歌

奄美大島

坪山豊さんの歌声を聴いたのは10年前の春だった。
上野で開かれた“奄美群島PR展”の会場。
事前の打ち合わせで都内在住の島出身者は
「坪山さんは島の誇りです」と言い、
また別の方は
「奄美だけではなく隣の徳之島でも憧れの的」
とも言った。
果たして、当日上野に現れた坪山さんは
目尻のシワが素敵なお爺ちゃんだった。
「東京の真ん中で唄うのはさ、すこし緊張するさ」
到着早々音響の設営を待たずに
三線(さんしん)を弾き歌い始めた。
その瞬間、スタッフ達は手が止まり聴き入ってしまった。
まさしく本物なのだ。
意地悪なたとえだが、CharさんがSMOKYを唄っても
それは欧米の“亜流”に過ぎない。
だが目の前のそれは、身体が生んだ、その島が生んだ歌だった。
歌声の後ろに奄美の風と緑が目に浮かぶのだ。
ベテランの音響チーフがその場で言った、
「この感じを聴かせる腕が、まだ俺にはないよ」。

坪山さんの生業は現役の船大工。
島唄をはじめたのは40才過ぎから。そしてデビューしたそうだ。
1978年に発表したオリジナル「ワイド節」は
いまでも歌い継がれる奄美群島の“テーマソング”となっている。
その証拠と言ってはなんだが、
今年のNHK『熱血!オヤジバトル(バンドコンテスト)』で
グランプリをかっさらったのは徳之島のオッサンバンドだ。
曲はもちろんワイド節。

坪山さんは昭和五年生まれだから、いま80才を過ぎている。
奄美大島に行かなければ聴くことはできない。
毎年春になると、今年こそはと思いながら10年経ってしまたなあ。
坪山さん

ワイド節/坪山豊
http://www.youtube.com/watch?v=ACKZxp_3hhw
船大工の坪山豊さん↓
http://www.kitohone.com/kitohone/tsuboyama_yutaka/index.html
ワイド節/まぶらい(熱血!オヤジバトルグランプリ)
http://www.youtube.com/watch?v=w1WSlPRI5wU

“ワイド”とは、徳之島闘牛のかけ声。
「いけーっ!」とか「強い!」とかの意味らしいんだな。
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| 週刊木曜日私的音楽評 | 14:24 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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