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市民による市民のための音楽活動支援団体「NPO法人ARCSHIP」

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【私的音楽評】NO,109 五十嵐セレクト31

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今回は、自分が最も好きなアメリカの音楽プロデューサー、
T-Bone Burnett(以下 T-Bone)のお仕事をご紹介しましょう。


T-Bone.jpg
若い頃


元々ミュージシャンの彼だが、今はそれよりもアメリカのルーツ系音楽の
プロデューサーとして。はたまた、グラミー賞受賞歴もある映画音楽の作曲家として、
の方が有名である。


1970年代の前半にバンドマンとしてデビュー後、
T-Bone の知名度を一気に上げたのは、Bob Dylan のあの有名な
Rolling Thunder Revue にギタリストとして参加したことだろう。
(ちなみに Rolling Thunder Revue については、Sam Shepard のルポルタージュ
「ローリング・サンダー航海日誌―ディランが街にやってきた」に詳しい。)


その後自らのソロアルバムを世に問いながら、プロデューサーとしても活躍するようになる。


彼のプロデュースワークを一言で言えば、“アナログ”であることに尽きる、と思う。
ギター本来の音を際立たせ、アコースティックベースの弦の細かな震えや、
ブラシでスネアを擦る音を記録する。


今のはやりの音とは明らかに反対方向を向いている人だ。


彼がプロデュースしたアーティストは多数に上るが、最近は再生工場の様相を呈しており、
例えば、Elton John & Leon Russel 、Robert Plant、Gregg Allman 等々を手がけている。



Peter Case / Peter Case

Peter Case

僕はこのアルバムが大好きなので、いろんなところで取り上げることになる。
この後、じわじわと一部?の音楽ファンの間で盛り上がっていくこととなる
アメリカンルーツミュージックブームの始まりを告げた作品だと言えるこの1枚は、
T-Bone の初期のプロデュース作。

John Hiatt, Van Dyke Parks, Roger McGuinn, 等の豪華なゲストも
納得の素晴らしい一枚。ボーカルが John Lennon っぽかったり、
Dob Dylan インスパイア系の曲があったり、この頃は、おそらく
このアルバムは世の中からは時代錯誤的と映ったはず。


Old Blue Car

最新アルバムでのセルフカバーバージョン



Spike / Elvis Costello

Spike.jpg

この前のアルバム 「King Of America」の方が有名だと思いますが、
興味深い Paul McCatney と 前出の Roger Mcguinn の競演を含む
よりカラフルでPOPな、こっちのアルバムを取り上げる。

T-Bone とElvis Costello は、二人でデュオチームを組むところから始まって、
そのつきあいはもう20数年に渡っている。

このアルバムでもニューオリンズのセカンドラインや自らのブリティッシュルーツを
試しており、Costello がルーツ系音楽に進んだのは明らかに T-Bone の
影響だと思う。


This Town…

ふざけたPVだけれど、この曲でThe Beatles & The Byrds が実現している
と思うと…



Notihng But A Burning Light / Bruce Cockburn

Nothing But A Burning Light

カナディアンSSWの彼は、一方で優れたギタリストでもあり、
本作でも彼のギタリストとしての腕前にも地味ながらスポットが
当たっている。

すでにエスタブリッシュドミュージシャンであった彼は、
Costello 同様本作と次作を続けてT-Bone に制作を依頼し、
以降の彼独特の浮遊感のある音楽のベースをここで形作る。

Booker T Jones や Jackson Browne といったゲストも手堅い。


A Dream Like Mine

同じくSSW である Colin Linden を相棒に迎えたライブ映像。




プロデューサーでアルバム買うと知らないミュージシャンや新人
アーティストでもあんまりはずれない、と個人的に思います。


次は誰にしようかな…


それじゃ、また!!





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