市民による市民のための音楽活動支援団体「NPO法人ARCSHIP」

「人」と「街」と「音楽」がもっとつながるための活動紹介をはじめ、神奈川県内の音楽・アートイベント情報をナビゲートします。

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【私的音楽評】NO,78 ニシセレクト23 担当:ニシトオル

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オカマとオナベとクリスマス

スナック街


新宿二丁目の古びた雑居ビルの飲み屋で
ジュリというオカマと知り合った。
ジュリはじつに男気、いやオカマ気のある
思いやりとサービス精神満点の
ひまわりのようなヤツだった。

○○ラーメンを食べたことがないという友のために、
タクシーを飛ばしてどんぶり一杯を持ってきたり、
またある時は
男に逃げられたホステスの話に
マスカラまみれのパンダ顔で号泣するのだった。

ジュリのとなりにはいつも彼氏のエージがいた。
エージはシャイなオナベ。
黒髪のオールバックをかき上げながら、よく小言を言った。
「なあジュリ、酒も煙草も少し控えろ、心配だよ」
「ありがとうエージ、そうだよね、あたしダメだよね」
そう言ってジュリはウイスキーをゴグリと飲んだ。
酔いつぶれたジュリの横顔を見ながら
髪をなでてあげるエージの表情は、立派な男の顔だった。

バブル期の騒がしいクリスマスが終わった26日、
ジュリから珍しく電話があった。
「ねえ、これからクリスマスパーティやるの、来て、来て」
突然の事で戸惑う俺に
「来ないと死んじゃうから」
ジュリの鼻水声の裏でエージの声も聞こえた。

教えられたスナックのドアには
カレンダーの裏紙に汚いマジック文字で
『エージとジュリのクリスマス』とあった。
さほど広くない店内はオカマとオナベであふれていた。
小さなステージでは
オカマ達がブラジャー姿でラジオ体操を披露したり、
柔道着のオナベがピンタの張り合いをして
一日遅れのクリスマスは永遠に続く勢いだった。

始発電車が動き出す頃、
エージとジュリがステージに上がった。
「ごめんよ突然。俺とジュリ、今日、結婚届、出した」
沈黙の後、悲鳴と歓声が響き、あちこちで抱き合う客達。
(そういうことか….)
髪をかき上げるのはエージがマジの時のクセ。
「はんぱ者だから、ふたりでいないとダメなんだ」

つたないピアノのイントロでエージが歌い出した。
♪おいらのあの娘は煙草が好きで 
♪いつもプカプカプカ
「そうだよね、たばこ、やめるから…」
すでに”パンダ顔”になったジュリが合いの手を入れる。
冷やかしの指笛が鳴る。

♪遠い空から振ってくるっていう
♪幸せってやつが あたいにわかるまで
夜明けの新宿でオカマとオナベの大合唱。
幸せな笑顔がいっぱいあふれた大合唱。

ずーっと、ずーっと続くことを俺は祈った。

後日談…..。
その後ふたりはジュリの故郷に移り、
子を成したと伝え聞いた。
父兄参観はどちらが行っているのかなぁ。



ディランセカンドジャケ写

『プカプカ』は西岡恭蔵さんが作った不朽の名作。
今回は福山雅治 with Charで聴いてみてください(動画無し)
http://www.youtube.com/watch?v=kwegFHUgWFs&feature
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| 週刊木曜日私的音楽評 | 14:32 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

おれのあんこはたばこがすきで、、、、

バックは

港がみえる丘公園

ですよね。

| フリーバード | 2010/12/17 22:59 | URL |















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