皆さん、こんにちは。
三崎公園会場のレポートは、「ARCSHIPのスナフキン」ことナルミがお届けします。
三浦半島をエッチラオッチラ南下してきたバスが港の小さな停留所に着くと、
四方を道路に囲まれて陸の孤島のような広場がある。

それが、今回のイベント会場となる「三崎公園 港のステージ」。
目の前は、漁船の係留された船着き場と、白亜の灯台も麗しい城ヶ島。
道路沿いには、張りぼてじみたマグロのお頭や一夜干しのイカが並んだ魚屋も
軒を連ねていたり。
ARCSHIP史上、色々な意味で画期的なロケーション。
開演前、司会のめぐみ嬢が「私は鳥羽一郎になればいいのね!」と人気のない海に
向かって決意表明していたけど、これはむしろ小林旭=ギターを持った渡り鳥の
世界でしょう?
要するに昭和レトロというか、経済成長を突っ走ってきた我々日本人が
忘れかけていた風景が、タイムカプセルのように残っているんですよね。
この日は強風にこそ見舞われたけど、抜けるような青空とキラキラ乱反射する
海に祝福されて、絶好の野外ライブ日和!

トップバッターは、オーガニックな感触のポップセンスが冴える女性デュオ
「ピンクさつまいも」。
吹き付ける風もなんのその、息の合ったハーモニーで会場は一気に2℃ほど
ヒートアップ。さすが、ヨコハマフッド!!ファイナリスト。

2組目は、ホーン担当のお姉さん&キーボード担当の弟さんのチビッコデュオ
「サファリパークDuo」。
天真爛漫なMCとは裏腹に、大人顔負けの卓越した演奏力で聴衆の喝采を
浴びていました。「イパネマの娘」、オジサンは浜辺に寝そべって過ごした
遠い夏の日を思い出してウルッとさせられましたよ。

3組目、小山文子さんはウクレレにインカムという独自のスタイル。
選曲も、映画「第三の男(御本人曰く「財産の男」?)」のテーマ曲や
笠置シヅ子「買い物ブギ」といったこだわりよう。
昭和レトロなロケーションにハマリまくってますな~。

4組目は「横浜低音倶楽部」の皆さんによる、
ユーフォニアム、チューバと低音系管楽器の演奏。
アニメ『ルパンのテーマ』や『ジブリメドレー』など皆が知ってる
アニメ曲を演奏。
しかし、低音楽器による演奏なので、聴き慣れた感じではなく
また、魅力的なサウンドに仕上がってました。
『ゲゲゲの鬼太郎』はハマってましたね。

5組目は、スティールパン主体の大所帯バンド「Pan Pop Paradise」。
この日はうらり会場との2ステージというハードスケジュールでしたが、
いつもながらの盛り上げ上手。
底抜けに陽気な演奏に、寒風の吹き荒れる三崎港がカリブの楽園と
化したかのようでした。

6組目の「Wingrow」は、メロウなR&Bで聴かせ、シャープなダンスで見せる
男性デュオ。
プロデューサー御自身がサポート演奏するバイオリンも存在感大でした。
観客のおばさまから「キムタクに似てるお兄さんの写真撮って♡」とケータイを
手渡されてハイハイと引き受けてしまったお人好しは、他ならぬワタシです。

7組目は、スタイリッシュなたたずまいが魅力的な女性シンガー、Anlryさん。
カッコイイものをカッコイイものとしてストレートに表現するセンスは、
なんでもアリな御時世にあって案外貴重かも。
Lady Gaga「Porker Face」のカバーでは、コブシを振り上げて応える女性客の姿も
見受けられました。

8組目は、普段はウクレレ・ボーカルの活動をしていますが、
今回はバンドスタイルで演奏して下さった、
「KANAE&Friends海花-kaika-」の皆さん。
青空の下、海の前でのウクレレサウンドはやはりマッチしますね。
バンド編成での演奏で厚みもあり、見応えがありました。

9組目の「MINAMI&MIKI」は、オーボエとキーボードの男女デュオ。
お二人ともマルチプレーヤーだけあって、リコーダーやピアニカなどを巧みに
使い分けながら遊び心に溢れた演奏で楽しませてくれます。
洒脱なジャズピアノがフィーチャーされた唱歌「ブン・ブン・ブン」など、
通行人も思わず立ち止まって聴き入っていました。

そして10組目、トリを飾ってくれたのは地元出身の「小網代バンド」。
「普段は農業をやっています」とのMCがありましたが、こうして地元の方々に
出演していただけるのは率直に嬉しいですよね。
フォークロック系のカバー曲を中心に、終始リラックスムードで演奏を
楽しんでいる姿が印象的でした。

三崎公園会場の出演者は、以上10組。
皆さん、冷たい風が吹く中、素晴らしいライブをありがとうございました!
ずっと観覧して下さっていたおじさまに「スゴイ楽しいよ。地元の者だけど、
なんでもっとPRしないの?」との御意見をいただいたので、それが今後の課題かな。
休憩中、筆者が会場周辺を駆け足でフィールドワークした模様を紹介。
三崎の伝統芸能チャッキラコや昭和の大衆文化を紹介する資料館「チャッキラコ・
三崎昭和館」、源頼朝の手植えと伝えられる御神木が威容を誇る海南神社、そして
ノスタルジックな店舗や土蔵が細い路地に連なる街並・・・
ちょっと好奇心をたくましくするだけで、面白いものをたくさん発見できます。


まだスタートしたばかりの「まちごとカルチャー@三崎」という取り組み。
その主幹イベントである「三崎音楽空間」を通じて、ARCSHIPがどのように三崎の街と
文化を盛り上げてゆくのか、今後に乞う御期待。