2011.01.27 Thu
【私的音楽評】NO.82 「リンゴ」担当:ニシトオル24

ふたりでもぐもぐしましょう
日曜日の昼下がりの食品売り場で、
買い物をしている大学生らしきカップルの
会話が聞こえちゃったんです。
「フライパンはあるよね?」と女の子
「うん、あるよ」と男の子。
「オムライス、好きかなあ?」
「うん、好き、だーい好き」
だいたい察しはつくよね、この会話で。
はじめて彼女が彼氏の部屋に行くわけでしょ?
オジサンとしては、たいへんウラヤマシイ。
そして振り返ったら
その彼女がたいへんカワイイので、
オジサンとしては、たいへん悔しかった。
思い出すと、
はじめての一人暮らしの我が部屋に
彼女がはじめて来て、いっしょに食べたのは
“キムチうどん”だった。
大量のキムチと油揚げがのっかった大盛り。
見た目はロマンチックにはほど遠かったけれど、
うれしかったなあ、俺。
辛い辛いと鼻水と涙を流したんだ。
そうそう、食べ終わってから彼女が
「しまった、すりゴマかけるのを忘れた!」と。
とても鮮明におぼえています。
今回紹介する歌は、
ふたりでリンゴを食べる、ただそれだけの歌なんです。
発表が1971年だから、おお!なんと40年も前。
当然、古い情景もかくれているけれど、
2分足らずの中に、男女の距離感があります。
その距離感は今も昔も変わらないと思うな。
だってさ、ふたりでいっしょに食べるって
100通のメールより、とてもリアルでしょ?
部屋でふたりきりなら、なおさらです。
仲良くなったら、ふたりでもぐもぐしましょうね。
さて、あなたは好きな人との最初のメニューを
おぼえていますか?

りんご/吉田拓郎(1971年)
http://www.youtube.com/watch?v=FX-NIE10pdg&feature
| 週刊木曜日私的音楽評 | 12:25 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑